
この記事ではFTXの無期限先物契約(PERP)で発生する資金調達について解説します。
- 無期限先物契約/Perpetual Futures(通称:PERP)
- 資金調達/Funding
- 資金調達「率」/Funding Rate(通称:FR)
FTXの画面上で無期限契約先物の資金調達率を確認
実際にビットコイン無期限先物契約のページから資金調達率をチェックし、計算方法を紹介していきます。
画面の矢印状にある「Predicted funding rate」という項目が資金調達率です。
何に対しての予測なのかというと、FTXでは1時間に1回資金調達が発生します。
この次の1時間分の資金調達率の予測ということになります。
上記の画像の「Next funding time」に表示されている時間がくると資金調達率に応じた手数料が発生します。
発生した資金調達(Funding)を確認する
発生した手数料はこのページで確認ができます。
Trade Historyの下にあるFunding Paymentsの欄をチェックします。
Paymentが実際に発生した資金調達(Funding)です。画像の通り1時間に1回ごと発生します。
なので資金調達を「支払う」「受取る」両方の場合があります
FTXでは資金調達がプラス表記だと支払い、マイナス表記だと受取り、になります。
「-$1.1」となってたら1.1ドル受け取ったということです。
自分のポジションはいくら資金調達(Funding)を受取る/支払う?
ではビットコインやアルトコインをトレードして、自分のポジションは資金調達を受取るのか支払うのか?を確認していきます。
ポジション:ロング or ショート
資金調達率:プラス orマイナス
この組み合わせで4通りのパターンになります。
- 資金調達率がプラス→支払う
- 資金調達率がマイナスの→受取る
- 資金調達率がプラス→受取る
- 資金調達率がマイナス→支払う
トレード画面で資金調達(Fuding)を確認する
上記の関係を覚えて、トレード画面を見れば自分のポジションが受取り/支払いが発生するかすぐにわかるにようになります。

1日に24回発生します
資金調達率を使って計算する
ではいくらの資金調達(Funding)が発生するか計算していきます。
資金調達率 × ポジション評価額
この計算式を使います。
以下のようなケースを想定してみます。
- 予測資金調達率:0.0057%
- ポジション評価額:2309.25ドル
0.0057%×2309.24ドル= 0.1316ドル
上記のケースはあと53分後に0.13616ドルの資金調達が発生するという結果になりました。
しかし、実際には資金調達率が変動し続けます。資金調達時間までの残り時間が短いほど資金調達率は表示されてる金額から変動しなくなります。(1時間内の平均のため)
実際に発生した資金調達
こちらの赤枠が実際に発生した資金調達です。
ポジション評価額、資金調達率が変動して計算結果と若干金額が変わってますね。
このように常に変動し続けるということを覚えておくといいかと思います。
以上が資金調達率とそこから計算される資金調達金額の計算方法でした。
無期限契約先物にはなぜ資金調達(Funding)があるのか?
ここからは「そもそもなぜこんな仕組みがあるのか?」という話です。
その理由を一言でまとめると実際のコイン価格に近づけるためです。
先物取引というのは、ビットコインやアルトコインそのものを取引しているわけではありません。そのコインの将来価格を予想する実物のない取引です。
昔の人がお米の取引をしてた頃から存在するちゃんと歴史のある金融商品です。
しかし実際のビットコインやコイン価格であるためには、価格の連動をしていないといけませんね。
そうでないと何を持ってそのコインの先物を取引しているというのか?
そのために無期限契約先物では資金調達を使います。
具体的にはビットコインやアルトコインの実際の価格であるという基準価格(インデックス)を決めます。
そこからどれぐらい価格が離れて取引されているかで資金調達「率」が決定し、資金調達金額が計算される仕組みです。
- 先物取引は実物をやり取りしない予想の取引
- 実物のコイン価格と連動するために資金調達の仕組みを使っている
- 実際の価格である基準価格(インデックス)を取り決めている
- 基準価格から高く/安く取引されているかで資金調達「率」が決定する
- 資金調達率から資金調達金額が計算される
先物の仕組みについては色々なモノがありますが、ここではざっくりと解説してます。
次に実際に「基準価格(インデックス)」が何かを見ていきます。
実際のビットコインやアルトコイン価格の基準になる「インデックス」
FTXでチャートを見ると基準価格(インデックスと言います)が表示されています。
ローソク足が無期限契約先物価格で、青線がインデックス価格です。
このケースですと、FTXのビットコイン無期限契約先物は実際のビットコインより少し高く取引されています。
この先物とインデックス価格の関係で資金調達率が変動していきます。
- インデックス価格 < FTXの先物価格
→ 資金調達率上がる - インデックス価格 > FTXの先物価格
→ 資金調達率下がる
先程の資金調達率のプラス/マイナスとロング/ショートの関係を見てもらうとわかるのですが
- 資金調達率が上がる
→ロングポジション保有者の負担が増える - 資金調達率が下がる
→ショートポジションの負担が増える
資金調達の負担はこのような関係になっています。
つまり先物価格がインデックス価格より高くなればなるほどロングの負担は増え、逆になればショートの負担が増えるということです。
ある意味インデックス価格に引き寄せるための「引力」のような役割をはたしています
簡単にですが以下のようなケースを事例として出してみました。
もしインデックスより先物が非常に高く資金調達率が上昇したら?
→先物の売りが増え下落圧力になる
もしインデックスより先物が非常に低く資金調達率が下降したら?(マイナスになったら)
→先物の買いが増え上昇力になる
このように資金調達率から発生する資金調達によって取引している人のポジションを動かし、実際の価格(インデックス)に近づけていきます。
基本的にはインデックスから乖離(かいり)しているほど、負担の重い資金調達が発生すると理解してもらえれば大丈夫です。
基準(インデックス)の確認方法
FTXではインデックスの詳細が公開されているので、いつでも確認することができます。
取引画面にある「index price」という部分が実際のビットコイン価格を表示しています。
クリックするとどのようにこの基準であるインデックスを決定しているのかのページに移動します。
上記のように基準のインデックス価格を決めるのに、参照している取引所の一覧が表示されています。
他の色々な取引所のビットコイン価格を参照して平均することでより実際の価格としての根拠を持っています。
以上が「FTXの無期限契約先物(PERP)の資金調達率(Funding Rate/FR)について」でした。
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